旅の効能

インドに来てから、旅行によく
行くことになったなと、
自分でも思う。
旅行は今まで嫌いではなかったけど、
お金がかかるし、
小さい子どももいるしで、
何かと面倒なことが多い。
だから、近隣の温泉旅行とか、
頑張って数年に一度沖縄旅行とか、
まあそんな程度しか行ったことがなかった。
ところがインドに来てから、
少しでも連休があると
どこかに旅行しようとするようになった。
お金はもちろんかかるし、
小さい子もまだいるのだけど、
「今行かないと一生行かないだろう」
という強迫観念のようなものがある。
そして
インド生活に疲弊した心を癒したい、
そんな気持ちも少なからずある。
もちろん買い出しを目的として
行く場合も多いのだけど。
今まで行った国は
タイ、シンガポール、
アラブ首長国連邦(ドバイ)、
マレーシア、そして今回のスリランカ。
国内旅行として、ゴア。
周りの駐在の友だちなどを見ていると、
人気の旅行先はそのほか
モルディブ、スペイン、フランス、
フィンランド、
ブータン、ベトナム、カンボジア、
インドネシア、香港など。
アジア圏はやはり食べ物にハズレがなく、
ヨーロッパ方面は見るべきものが
多いので、人気なようです。
そんな人々に囲まれ、
「旅する」がとても身近なものになった。
経験者が多いので、
ハウツー情報も豊富。
何でもそうだけど、
それが当たり前な人に囲まれると、
自分もそれがだんだん
「普通」になってくるものなんだよね。
改めて考えるとすごい。
スリランカにはなぜか
西洋人のバックパッカーが多い。
もしかしたらインドにも
多いのかもしれない。
「なぜバックパッカーはこんな重い荷物を
背負ってたいへんな旅をしているの?」
という素朴なラスカルの疑問に、
私はうまく答えられなかった。
私はそのような旅をしたことがないのだ。
少しでも長く旅行しようとすると、
バックパッカーみたいな旅になるんだよ。
エアコンのないような安い宿に泊まって、
たくさんの国を見るために
たくさん移動するのよ、多分。
「でも、わざわざそんな大変な思いをして、
不便な旅を続けるのは、なんのためなの?」
えーと…何のためなんだろう。
どんな人だって、自分の住んでいる場所に
居続ける方が便利で快適に決まっている。
でも、日常とは違う風景が見たい。
毎朝6時に起きて7時に決まった場所に
出かけるルーティンを破り、
自分のことを誰も知らない場所で、
食べたことのないものを食べ、
見たことのない風景を見て、
常識を覆され、
酷い目にあったり
すごく親切にしてもらったり
そんな経験を積むことが、
実は人生そのものなのだと理解する。
決まり切ったル
ーティンの生活は
ブレる自分を守ってくれ、
同時に
何のために生きてるのか?を
考えなくてすむようにしてくれる。
そんなことを毎日考えていたら持たない。
でも、
出会いがあれば別れが必ずあり、
辛い思いをするから幸せもあるんだと、 
自分はいつかは死ぬし、
ものごとには終わりがあるんだと、
だからこそ今を生きるんだと、
そんなことを考える時間が、
旅にはあるように思う。
時には余裕がなくなってイライラして
自分の小ささを思い知り、
子どもたちの無邪気さに
救われたり、
何でもない風景や誰かの一言が
ずっとなぜか心に残ったり。
そう、旅をすることって、
実はそんなに楽なことばかりでも
ないのだ。
でもなかなか捨てたものでもない。
私にとっては、インドに駐在することは
ずっと旅みたいなものなのかもしれない。
と考えながら
しみじみインドに着陸したのですが
着陸直前まで視界ゼロのホワイトアウト。
ずっと上空の雲だと信じていたのに
霧が晴れたとたんグランディング!!
白いのはPM2.5含む濃霧でしたぁ!あんぐりうさぎ
いつも笑かしてくれるわ!
インド!


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コメント

  1. miamachi より:

    SECRET: 0
    PASS:
    ラスカルちゃんの疑問もお母さんの答えも全て当たりです^ ^
    だから旅に出るのですよ。
    それが面白いのです。
    私はサダルストリートもクミコハウスもインドには行ってないのでわかりませんが、沈没して帰らない人がいるくらいなので、とにかく面白いんだと思います。
    バックパッカーでバスや電車ある時はヒッチハイク電車
    歩いて回る人もいれば、自転車の人もいるし、中にはリヤカー引いて回るツワモノもいますね。
    そういう人はきっとどこに行ってもそのスタイルでアングラーな世界を見るのが生きがいで、人生は全て旅のようなものだと思うんでしょうねぇ。
    くふふふふ

  2. 1185690 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    いや~深いです!
    私、そんなに考えて旅行してなかったかも…( ´ ▽ ` )ノ
    インドを去ると決めた瞬間から何かがご自分の中で変わったのに気付かれたことでしょう。
    いろんな経験が出来て羨ましいです。
    私がインドにいたら、どこに旅行するのかなと想像しただけでも楽しい♪
    そこには、連れ回される夫の姿が目に浮かびます(≧∇≦)

  3. mii☆ より:

    SECRET: 0
    PASS:
    ほっこりさんと同じようなことを思っていたとこです。
    駐在生活ってちょっと長い旅にでているのようなもの。
    日本でいたら?転勤族でなかったら?感じなかったような
    人の移り変わりを感じる生活。
    来た当初はこの地で生活するのが嫌でしかなかった私も、
    この生活がだんだん染み付いて、日本に帰るのが今度はちょっと怖いような。(笑)
    そっかー、ドバイには訪れていたのねー^^♪
    機会があれば、砂漠の中にあるホテルへ行ってみてください。
    って、行ってるかも?!
    そして、ここにいる間には行ってみようかな?インドー!!
    で。ほっこりさんってお子さん3人・・・どうやってホテルの部屋とりしてますか?
    うちは子供2人ですが・・・部屋とりが難しくて困ってます。
    大人2人子供2人で部屋をとると・・・たいていベットに寝れない人間が・・・。汗
    大人4人でとったりしてます?

  4. mintgreen0117 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >miamachiさん
    おお!ここに元バックパッカー登場!!
    リヤカー引く?!そんなツワモノもいるのですね。
    思いつかないわー。
    一度その楽しみに目覚めると、そっちが本当の人生になり、普段の生活が仮の生活になったりする…のかな?!
    見てみたいような…怖いような…(笑)

  5. mintgreen0117 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >1185690さん
    そんなこといちいち考えてたら、旅立てないかもですね。今回たまたま村上春樹の紀行文を読んでて気分が盛り上がり笑
    私は基本守りに入るタイプなんだなあと改めて思いました。

  6. mintgreen0117 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >mii☆さん
    砂漠の中のホテル、友だちが行くって言ってました。砂漠の中なのにプールがある!お金さえあれば何でもできるのね!と言ってた、そのホテルかな(笑)
    ホテル取るときは、大人1人子ども1人と予約しておいて、現地に着いてから「子ども3人です」と言ったりしているようです。そうしないと、我が家5人なので、ふた部屋になったりするの!
    エキストラベッドとソファーとかでなんとかなってます。

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