ドライバーさんに教わる「生きた英語」

インドのドライバーさん

新しいドライバーSさん。

運転の腕は良く、経験も長く(20年と言ってた。多分私と同年代だね。)、
態度もジェントルなので、
相対的にはよいドライバーさんだと思います。

前任者があまりに控え目なキャラクターだったので、比較されると辛いよね。

と思っておりました。

がっ!

昨日の出発時刻1時半にピンポーン。

あれっ、早く来いという催促?!
と焦る。

すると彼が笑顔で立っていて、

マダム、水を1リットル下さい。
私は昼食が終わり、喉が乾きました。

と…

うん?

よくわからないけど、冷蔵庫からキンリーを取り、差し出すと、

いえ。マダム。蓋が空いてる常温のものでいいのです。

??

色々聞いてわかったこと…

どうやら彼は水道水でいいから毎日午後、水を1リットル所望らしい。

家から持ってきても足りないらしい。

そしてキンリーなどのミネラルウォーターを毎日買うのは高いと。

彼の言い分。

キンリーを欲しいと言ってるわけではないのです。
水道水でいいんです、マダム。
今までのマダムはみんな私に水をくれました。

・・・

いや、

たかが水だから、いいよ、別に。

でもなーんか話がおかしくないか??

ひと晩考えて、これはやっぱり断らないといけない。と決断。

初めて英語で厳しいことを言わないといけない・・・日本語で言うのもやったことないのに・・・とドキドキでしたが、

内心はおかしいと思っていることをヘラヘラ笑って許す・・・
ということを、元々しがちな私。

ここで言わないとなんかズルズルしちゃいそう。自分の中で。

そこで、翌日またピンポーンと来た彼に、こう言いました。

あなたは水を持ってくるか買ってくることができると私は思う。

水のことはとても小さなことだと私はわかっている。でも小さなことは私にとってとても重要だ。

もしあなたが私の信用を得たいなら、何かを私にくださいと言うべきではない。

こう書くとものっすごいペラペラみたいですが、これをたどたどしく、しかし真面目な顔で必死で言ったわけです。

どこまで通じたかわからないけど、
彼はちょっと寂しそうな目で

分かりました。

みたいな返事。

言葉って生きてるんだな~。

こうやって、誰かを傷つけたりすることができるんだな。

今まで私が知っていた教科書の英語は、人を喜ばせたり、傷つけたりすることはなく、机上のものだったんだな。
と感じました。

きっと全然悪気のない彼。

多分ちょっとお得なことを求めただけなんだろうな。

悲しい気持ちにさせて悪かったけど、ちゃんと言えてよかった。
私がモヤモヤしたまま付き合うよりも、よかったと思う。

彼はその後態度を変えることなく、今まで通り、おしゃべりしながらドライブしてくれました。

ホッとした~。

私はここが足りないなってことを、しみじみ感じた水事件でした☆

宣言通り、1ダース買ったど~~!!!

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